北の大地で鉄道旅 Part5 スーパーおおぞら
最終更新日:2021.4.12
この記事では、原則として2019年7月時点の情報を掲載しています。
前回の記事はこちら↓
今回は振り子車両のキハ283系で運行される、スーパーおおぞらに乗ります!
...とその前に、1日目の行程を途中まで紹介します。
新千歳空港→南千歳→新得→東鹿越→富良野
スーパーおおぞらに乗るのは南千歳→新得の約1時間半です。
Part5は南千歳駅からスタート。
快速エアポート123号を降りて南千歳駅1番ホームに移動。しばらくすると今回の主役、特急スーパーおおぞら5号が入線!
外国人観光客がそれなりに乗車し、列車は少し遅れて発車。車体を揺らしエンジン音を響かせ、列車は次の停車駅のトマムまで1時間近く走り続けます。
スーパーおおぞらが走るのは大半が非電化路線の、石勝線と根室本線。走行区間は基本的に山の中、あるいは畑の中。都会の路線とは異なり、見渡す限り広がるであろう緑の中を気動車が走り抜ける姿はさぞ壮観でしょうなぁ。
写真が少しくすんでいるというか、いまいちパッとしない印象を受けますが、恐らく窓の汚れや傷によるものでしょう。冬に走行中の車体から雪が落下し、その時にバラスト(線路に敷き詰めてある石)が跳ね上がって車両の窓にぶつかる可能性があるとのことでポリカーボネートを用いて窓が強化されています。ですが、窓に傷が付かないようにする訳ではなく、あくまで窓が破損して車内の人がけがをするのを防ぐことが目的なので、席によっては窓が汚れて車窓を楽しめない場合もあります。
ここで、スーパーおおぞら使われる車両・キハ283系の紹介をします。今回は普通車指定席の紹介です。 今回は。
指定席の座席はこちら↓
キハ283系のブラインドは、上下させるものではなく、カーテンを手前から奥へ、あるいはその逆に動かすというものになっています。最近の車両では珍しいですね。
キハ283系の普通車指定席はキハ281系、キハ183系よりも先に、平成18年(2006年)より、デビュー当時の古い座席から「グレードアップ座席」への交換が順次実施されました。グレードアップ座席は従来の座席よりも座席幅が約2cm広がり、上下に動かして位置を調整できる枕とチケットホルダー、ドリンクホルダーを装備し、座席下の空間を改良して足を伸ばして座席に座れるようになっています。カツレツはどちらかというと、道外の特急の普通車に乗り慣れているので、初めてグレードアップ座席に座ったときにひじ掛けが大きく、座席幅が広く感じました。
登場から十数年経過していることもあり、ところどころ座席の布が破れていたり座席が柔らかくなっている気がします。(対キハ261系1000番台6次車比) 上の写真では分かりにくいですが私の前の座席の布がたるんでいますし、ものを掛けるフックが傷ついていたりします。
先ほど足を伸ばして座席に座れるようになっていると言いましたが、少し補足すると、キハ283系の足元(座席下の空間)は道外の車両よりも狭いかもしれません。というのも、写真の通り通路側は座席の重量を支えるための"座席の"足があるので、"座席に座った人の"足を十分に伸ばせるとは限りません。窓側についても、キハ283系が振り子を使用して車体を傾ける関係で、車体が車両限界に収まるように絞り込まれているため、窓側の壁の下部が内側に湾曲しています。なので足を伸ばそうとしたときに少し鬱陶しく感じる方もいらっしゃるかもしれません。(国鉄時代に作られたような、窓側席の足元にダクトと思われる銀色の角張ったsomethingがあるよりはよっぽどマシですが)
4号車には車椅子対応トイレと多目的室があります。多目的室は気分が悪い場合、赤ちゃんに授乳する場合などに、車掌に申し出て利用することができます。車掌は車内を巡回しているか、3号車の車掌室にいます。
キハ283系の車掌室は、「室」というより「カウンター」と呼ぶ方がふさわしいかも。写真のように、車掌がいないときはシャッターで閉められていますが、車掌がいる時は開放されています。カウンターなので一般的な車掌室よりも気軽に、車掌に話しかけられそうです。
キハ283系の客室内の電光掲示板では、列車が現在走行している位置を表示します。このような表示は他の形式では私が見たことはありません。他のJRでも、新幹線は駅を通過する際にどこを走っているか教えてくれますが、写真のようにちょっとしたアニメーションで教えてくれるのは面白いと感じます。
車内の設備の紹介はここまで。あまり車内の設備を紹介し過ぎると旅行記ではなく情報サイトになってしまいます...
この記事の冒頭でも言及しましたが、カツレツが乗った日のスーパーおおぞら5号は、観光客が多いように思いました。というのも、トマムに到着したときにふと窓の外を見ると、駅の出口に人が集中していて、その出口のすぐそばに星野リゾートのバスが(確認した限りでは)3台停車していました。列車を降りた乗客はおそらく全員それらのバスに乗ったと思います。
JR北海道の特急は、日本語、英語に加え中国語の車内放送もあります。3ヵ国語の車内放送を聞いて、外国人観光客が多いのだなぁと感じます。
トマムを発車したら次の停車駅は新得。途中の上落合信号場で、現在は不通となっている根室本線と合流します。信号場はトンネル内なので電波が入りません。そりゃ当然だ
新得の手前のΩカーブでは、(個人的にASMR全開の)軽快な?ジョイント音を聞き、振り子でキハ283系が車体を傾けるのを楽しみながら、降りる支度をします。
列車は1〜2分遅れて新得駅に到着。南千歳から約1時間半の長いとも短いとも言えない、スーパーおおぞら普通車指定席の旅はこれにておしまい。キハ283系ともしばしのお別れとなります。
Part5はここまで!Part6に続く...
次回の記事はこちら↓
編集後記
今回は旅の臨場感を出す為に情景描写を少し誇張したかもしれません。私自身、記事を書いていて慣れない文体だなぁと感じていたので、記事を読んだ皆さんも不自然に感じるところが多少あったのではないでしょうか。
次回の記事もお楽しみに!それでは私はここで失礼します。Bonne nuit.