カツレツーリスト

中の人の心の声が聞こえてくる旅行記

2023年1月23日更新
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北の大地で鉄道旅 Part7 運転打ち切り!?

最終更新日:2021.4.12

この記事では、原則として2019年7月時点の情報を掲載しています。

 

前回の記事はこちら↓

www.tetsu-tabi.com

 

 

 

 

 

 

 Part7は富良野駅から。

 車内放送で通常とは異なるホームに到着するとの案内がありましたが、乗っていた列車は富良野駅4番線に到着。

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 と、ここでJR北海道の方が車内に入って来て、私に列車が富良野止まりとなることを教えてくれました。突然言われたので思わず「え?」となりましたが、雨量が規制値を超えていることなどを説明されてやっと現状が飲み込めました。

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分かりにくいですが雨が降っています

 根室本線の富良野~芦別間は大雨で運転見合わせになり、富良野以北が走れないので運転打ち切りになったと言うわけです。また、写真左奥には、本来私が乗っていた列車が富良野駅に到着する30分以上前に発車しているはずが、抑止を受けていたのか駅に停車していた7042Dフラノラベンダーエクスプレス2号が写っています。そういえばクリスタルエクスプレスも引退してしまいましたね...

 

 さて、滝川行きが富良野止まりになったため行程の変更を余儀なくされ、一時的に足止めを食らってしまいましたが、落ち込んでいる暇はありません。カツレツの鉄道の知識を総動員して今後どうやって札幌に移動しようか考えます。「旅客営業規則」や各種制度、異常時の取り扱いについて知識があると、トラブルが発生したときでも旅行を楽しむことができます。今回のケースでも、根室本線が動かないなら富良野線を使えばいいじゃない、とか、運転打ち切りのせいで滝川で乗り継ぐはずの特急に乗れないから指定席券は列車の発車後でも乗車変更(事故列変)してもらえるな、というように輸送障害を利用してやろうと思っていると楽しくなるものです。

 ここで旅行初日の行程を確認してみましょう。

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初日に乗る線区を描いた路線図

 当初の予定では、

 新千歳空港→(千歳線支線)→南千歳→(石勝線)→新得→(根室本線)→東鹿越→(根室本線)→富良野→(根室本線)→滝川→(函館本線)→札幌...

 というルートで移動する予定でしたが、根室本線を使い富良野→滝川を移動することが不可能になったため、

 新千歳空港→(千歳線支線)→南千歳→(石勝線)→新得→(根室本線)→東鹿越→(根室本線)→富良野→(富良野線)→旭川→(函館本線)→札幌...

 というように変更しました。代行バスではなく別の路線の列車に乗って向かうことが出来たのは幸運でした。例えば芦別で足止めされたら、他に接続している路線がないので移動手段が代行バス一択になってしまいます。鉄道旅をするからには、列車代行バスでは無く列車に乗りたいものです。

 

 

 少し話が脱線してしまいましたので元に戻します。富良野駅に5分遅れで到着した9632D普通滝川行きは運転打ち切りになったので、今まで乗っていた列車を降りなければいけません。車内で慌てて降車の支度をしたので、スーツケースを網棚に忘れてしまいました。幸い運転士さんに列車が回送される前に教えていただいたので事なきを得ましたが。列車を降りる際は座席のチケットホルダーやポケット、フック、座席下以外に棚もしっかりチェックしなければいけません。危うく6泊7日ずっと同じ服を着て過ごすところでしたよ...

 

 富良野駅で富良野・美瑛ノロッコ6号に乗り換え、旭川経由で札幌に向かいます。

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富良野・美瑛ノロッコ

 ちなみに、先頭車両のオクハテ510-2には運転台が付いているので、写真のように機関車を編成後方に連結する「推進運転」ができます。なので富良野駅では機関車を付け替えず(機回しをせず)、折り返し時間は10分(5号→6号)と客車列車にしては短いです。

 私が乗った車両には、窓側を向いた座席とボックス席がありました。どちらも木製(擬木じゃないはず)なので固いし座り心地がちょっと...

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 しばらくすると富良野・美瑛ノロッコ6号は発車。動き出すときに連結器から「ガコン」という大きな音があります。また、サスペンションがしょぼいのか走行中もレールのつなぎ目が来るたびに揺れます。長時間の乗車には向かないので、人によっては富良野~旭川の約1時間半を辛く感じるかも。

 

 9436レ・ノロッコ6号は途中美馬牛の辺りまではその名の通りノロノロ走ります。定期列車の普通の2倍以上時間をかける区間も珍しくありません。もっとも時間がかかるのはスピードを出さないというだけではなく乗り降りに時間がかかって所要時間が増えるというのもありますが。

 途中、ラベンダー畑駅では多くの観光客が乗車。座席は全て埋まり、立ち客も出ました。ラベンダー畑はファーム富田の近くにある臨時駅で、ラベンダーが見頃を迎えるシーズンを中心に、主に臨時列車が停車します。

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ラベンダー畑駅

 その後美瑛ではそこそこ人の乗り降りがありましたが空くということはなく、混雑した状態を保ったまま終点旭川へ向けて走ります。

 ...先程、ノロッコ6号は美馬牛の辺りまでノロノロ走ると述べましたが、美馬牛~旭川はどうでしょうか?時刻表を見ると分かりますが、美馬牛→美瑛は8分と、定期列車と大差ありません。ノンストップで走る美瑛→旭川に至っては24分と、定期列車を抜いて単独トップです!

 つまりどういうことかと言うと、ノロッコなのにスピードを出します!ノロッコの「ノロ」はノロノロの「ノロ」じゃなかったんかい

 スピードを出しますが車両の性能はそこまで良くないので当然揺れます。仕方ないね。

 

 

 ノロッコのエキサイティングな高速走行に見惚れているとすぐに旭川駅に到着。本来の滝川で乗り換える予定のライラック34号はとっくに出発しています。これ以上モタモタして札幌到着を遅らせる余裕はないので、写真撮影を済ませたらすぐに札幌行きライラック40号に乗ります。

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DE15 1535号機(ノロッコを牽引)

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789系1000番台(トップナンバー)

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789系0番台(トップナンバー)


 

 特急列車に乗る場合は、本来なら乗車する前に駅の窓口などで指定席特急券や自由席特急券などを用意しなければいけません。今回もあらかじめライラック34号の滝川→札幌の指定券を用意していました。ですが、ライラック40号の旭川→札幌間を乗車するので、乗る列車も特急料金も変わります。本来なら根室本線の運休で34号に乗車が叶わなかった旨を窓口で申し出て、40号のきっぷに変えてもらわなければいけません。

 ですが、今回は北海道フリーパスを使っているので、在来線は特急を含め自由席が乗り放題!旭川は始発駅なのでほとんどの場合座れますし、乗車時間も短いので自由席で十分。北海道フリーパスという、40号に乗るのに必要なきっぷが既にあったので、旭川駅以外でも出来る34号の指定席の変更は後回し。

 

 ということで、時間に余裕が無かったので旭川駅のみどりの窓口には寄らずにそのまま乗車。

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特急 乗車口案内

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特急ライラックの自由席

 

 座席は可も不可もなく、と言ったところでしょうか。グレードアップ座席や789系1000番台のuシートに比べれば見劣りします。座席はある程度のクッション性が確保され、背もたれのうち頭が当たる部分は少し柔らかくなっています。枕はありません。

 また、座席幅は狭くはありませんが、広いわけではありません。また、ドリンクホルダーはありませんが、乗車時間が約1時間半なので無くても問題にはならないかと思います。これと同じような座席で札幌~稚内の5時間超を乗り通すキハ261系0番台の特急宗谷は辛いでしょうね...

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特急ライラックの座席


 

 列車は旭川を出発すると、深川、滝川、砂川、...と停車します。川の付く駅に4連続で停車します。ちなみに特急オホーツクは、石北本線の上川も含めれば5連続!

 現在の特急ライラックは昔のように130km/hでの高速走行はせず、旭川~札幌を最速120km/h、1時間25分で結びます。それでも120km/hも出せばかなり走行音はうるさくなると思いますが、客室内ではそこまで走行音は響いていませんでした。どちらかというと、空調の音がうるさいです。走行音がしないと疾走感を感じられないというか何というか。同じ120km/hでも京急の快特の方が速く感じます。 

 

 旭川出発から約30分後、列車は滝川駅に到着。ここで自由席が満席になり立ち客も発生しました。かなりの乗車があり、確か発車が少し遅れたような覚えが。

 先程、富良野駅に発車時刻を過ぎても停車していた7042Dフラノラベンダーエクスプレス2号に軽く触れましたが、実は滝川駅でライラック40号に乗ってきたお客さんの一部と関係があります。

 根室本線が運転見合わせになったので、9632D普通滝川行きに乗っていた私は富良野・美瑛ノロッコ6号に乗って旭川経由で札幌に向かっていましたが、7042Dの乗客は滝川までバスの代行輸送を受け、滝川から特急に乗って札幌方面に向かうことになりました。なので、代行バスを下車した7042Dの乗客が滝川駅でライラック40号に乗り換え、その際に自由席に乗車したので自由席が満席になり立ち客が出た、というわけです。客室内の通路に数人立っていたので、デッキはさぞかし混雑していたのでしょう。

 

 多くの乗客を乗せてライラック40号が白石を通過する時に鉄道唱歌のチャイムが流れ、大橋俊夫さんの落ち着いた声の自動放送を聞き、列車は終着・札幌に到着... となるまえに少し車掌さんから案内がありました。

 まず、列車の到着が(2分程度)遅れたこと、車内が混雑したこと、7042Dフラノラベンダーエクスプレス2号の乗客については滝川駅での乗り換え等で面倒をかけたことのお詫びがありました。また、本来ならば7042Dが17:22に札幌に着くところ、実際には列車が運休した上に到着が2時間以上遅れたので、特急券の払い戻しが受けられる旨が伝えられました。9632Dが部分運休したことに対する個別の謝罪はなかったような。まあ少数派ですし私も謝罪を求めるどころか、貴重な経験が出来て満足していたので問題は無いと思いますが。

 

 

 さて、私の当初の予定ではライラック34号に乗って17:55に札幌に着くところ、19:27頃の到着になってしまいました。時間が遅くなってしまったので駅ビルで夕食を摂ることは叶わず。さてどうしたものか...

 

 

To Be Continued...

 

 

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編集後記

 Part7、お待たせしました!今回の記事は少しボリュームがあります。

 世間では今日11/2から3連休ですね。出来れば明後日11/4までにもう1本記事を投稿したいところですが、果たして有言実行となるのでしょうか。

 季節の変わり目なので、読者の皆様もどうぞ健康には十分お気をつけて。またこんど!

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