カツレツーリスト

中の人の心の声が聞こえてくる旅行記

2023年1月23日更新
新規記事 Sunrise@日本三景・松島|18きっぷで冬の東北4 を公開


北の大地で鉄道旅 Part34 新函館北斗を経由しない藤城支線

この記事は、2019年7月の北海道旅行について書かれたものです。

 

前回の記事はこちら↓

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 前日の夕方に訪れ、今回の旅行では合計15時間余りという(比較的)長期滞在となった函館の街ともそろそろお別れ。

 列車の改札が始まったそうなので、早めに入場します。

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函館駅の電光掲示板

 函館駅にも注意書きが掲示されていますが、16:14発の1875Dは新函館北斗駅の一つ手前の七飯駅で止まってしまうので、この列車では新函館北斗駅に行けません。また、5:49発の5881D、12:31発の4835D、17:35発の823Dは七飯駅~大沼駅で藤城支線を経由するため、新函館北斗駅は通りません。もっとも函館駅から新函館北斗駅まで移動して新幹線に乗る場合、新幹線と接続する733系1000番台の電車、はこだてライナーを使うのが便利なので、わざわざ好き好んでヨンマルの鈍行に乗る人はごく少数だと思いますが

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函館駅に注意書きが掲示されています

 

 3番線から発車する普通列車に乗車します。

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4835D 普通 森行き

 

 

 函館駅を発車して5分後、五稜郭駅に到着。

 五稜郭駅はJR貨物の五稜郭機関区や函館貨物駅が近いので、駅付近でEH800やDF200が見えます。

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3067レ 札幌貨物ターミナル行き

 

 五稜郭駅を出るとすぐ、進行方向左側で函館貨物駅方面の単線が分岐します。これは、俗に「有川支線」と呼ばれている、五稜郭駅から函館港の有川埠頭にある貨物駅までの2.1kmの路線です。

 五稜郭駅付近は留置線が多く、複数の路線が乗り入れいるのでポイントがかなり多いです。加えて貨物列車が入替などをするための信号機などもあり、とにかく地上設備が多くて複雑なので、配線を理解しようとしてもなかなか理解できません。理解する必要があるとは言ってない

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五稜郭駅構内は配線が複雑です

 

 有川支線の線路と別れて十数秒後、現在は使われていないと思われる錆びたレールが左側に見えました。雑草が生い茂っていましたが、管理が行き届いてないのか、それとも放棄されたのか悩むところです。

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 さらにその数秒後、五稜郭駅から少しの間並走していた道南いさりび鉄道線(旧江差線)が、やはり左側に曲がって函館本線と離れて行きます。

 北海道新幹線の開業に合わせて第3セクターになった道南いさりび鉄道線では、定期特急列車が走っておらず、旅客列車(普通列車)の本数が38本なのに対し貨物列車の本数が臨時含め51本と多くなっています。なお、道南いさりび鉄道では営業収益の約8割がJR貨物から支払われる線路使用料となっており、貨物列車への依存度が高くなっています。もし本州と北海道を結ぶ貨物列車が無ければ、旧江差線は北海道新幹線の開業と同時に全線廃線になっていたかもしれません。

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道南いさりび鉄道と分岐します

 

 

 七飯駅を出ると、新函館北斗駅を経由する本線から分岐し、少しの間高架を走ります。七飯駅~大沼駅では新函館北斗駅と仁山駅を経由する本線とは別に、途中駅なしの藤城支線と呼ばれる路線が存在します。

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道南の路線図

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七飯~大沼(字藤城付近)

 

 七飯駅を発車して9分ほどすると国道5号と立体交差し、すぐに新峠下トンネルに入ります。このトンネルは本線の峠下トンネル、国道5号の大沼トンネルと隣接している長さ1250mのトンネルで、途中に半径800mのカーブがあります。トンネルの函館方で国道5号と交差する当たりに105km/hの速度制限標識があり、トンネル内のカーブが終わる辺りまで列車は速度制限を受けます。

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 新函館北斗駅が開業した今となっては、藤城支線を経由する列車は比較的低速の普通列車や貨物列車ぐらいしかなく、この105km/hの速度制限はほとんど意味が無いような気もします。

 ちなみに、この時はトンネル入り口に徐行信号機があり、臨時で45km/hの速度制限がかかっていたので、トンネル通過に2分弱かかり実際の距離以上に長く感じました。

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徐行信号機

 

 新峠下トンネルを抜けると、すぐに小沼(大沼じゃないよ)が見えます。よく勘違いされやすいのですが、下り列車(森・長万部・札幌方面)に乗車している場合、トンネルを抜けた後仁山駅~大沼駅(本線)もしくは七飯駅~大沼駅(藤城支線)進行方向左側に見えるのは小沼です。大沼大沼公園駅~赤井川駅にある短い橋を渡る途中で進行方向右側ちょっとだけ見えます。

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小沼



 小沼が見えなくなったら、下車の支度をします。大沼駅と大沼公園駅は1kmしか離れていないので、大沼を発車してから列車を降りる準備を始めると、手荷物が多いと慌ただしくなってしまいます。乗り過ごしたくない場合は時間に余裕を持って行動しましょう。

 13:11、大沼公園駅に到着。この駅で後続のスーパー北斗13号に乗り換えます。

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大沼公園駅の駅名標

 

 

 

 次回の記事はこちら↓

 

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編集後記

 お久しぶりです!カツレツです。前回Part35の投稿から1か月近く間が開いてしまいました。 

 最近は「妄想鉄」にはまっていて、時刻表を見ながらいろいろ妄想してみたり、来年以降行くかもしれない旅行の計画を立ててみたりしているうちに、あっという間に時間が経ってしまいました。ちょっとだけ反省しています。

 

 上述の通り藤城支線は途中に駅が一つもないので、本線経由の普通列車が21分程度で七飯駅~大沼駅を走るのに対し、藤城支線経由の普通列車は15分程度で走ります。高速走行に適した路線を走る列車はやはり速いですね。

 北海道新幹線が開業する前、新函館北斗駅が渡島大野駅だった時代は、下りのスーパー北斗などの特急が藤城支線を走っていて、キハ283系やキハ281系が振り子で車体を傾けながら高速走行するシーンを見られました。

 新函館北斗経由の本線は藤城支線よりも線形が悪くスピードが出せないのに加えて、七飯駅から下り列車が藤城支線ではなく本線に入る際は信号待ちが発生するので特急北斗でも七飯駅で運転停車をします。そのため、現状では下り列車に大きな「タイムロス」が発生しています。

 キハ283系のような高性能な振り子車両が130km/hで走行していた時代と、キハ261系が車体傾斜装置なしで120km/hで走っている現状を直接比較するのはナンセンスかもしれませんが、線形の悪い本線を走行している点と七飯駅で運転停車をする点の2点で、7分程度所要時間が増している気がします。

 

 

 次回Part35は9月20日(日)までに投稿する予定です。1か月近くお待たせするつもりは毛頭ないのでご安心ください。

それではここでお開きとします。ありがとうございました!
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